SATIAN/39番外編 - 主にしょうもない話し -

日常であったしょうもない出来事やたまに宣伝

廃墟について様々改めて考えさせられる機会があった。なので危機管理についてなど色々まとめてみた。

(2017年 noteに投稿したものをそのまま掲載しております)

ソ連遠征中突如あった出来事。帰国後の怒涛の日々。

今回、廃墟について様々改めて考えさせられる貴重な機会がありました。

美しく儚い、荒れるに任せ朽ちゆく愛おしい廃墟。

しかしここ近年特に、その危機管理について叫ばれる事はなくなっているのではないでしょうか。

当方なりに、色々考えてみました。

(ブログでも記載しました記事を、noteにも記載する事に致しました。目に付いた方読んでみてくださいね。)

 

1…廃墟とは。

建築物や鉄道、集落などが使用されぬまま放置され、荒れ果てた状態になっているもの。遺跡はそこに含まない見方もあれば、含むとする見方もあります。

ざっくりとした廃墟の種類

・廃鉱山系

・廃炭鉱系

・廃遊園地・廃テーマパーク系

・廃集落・廃村系(ゴーストタウン)

・廃住宅・廃団地系(ゴーストタウンでも、上記より近代的なもの、上記は古い木造家屋)

・戦争遺構

・遺跡

・廃病院・廃診療所系

・廃校

・廃宿泊施設系(廃ホテル、廃ラブホ、廃旅館、廃温泉、廃保養所など)

・神社仏閣系(廃寺、宗教施設など)

・廃工場系(廃セメント工場、廃繊維工場、廃発電所など)

・廃施設系(廃研究所、廃通信施設、廃軍事施設、廃実験場、廃刑務所、など)

・古城・廃城

・廃道

・廃鉄道施設(廃線、廃駅など)

・廃橋

・草むらのヒーロー(廃車)

・ザコ物件(こじんまりとした廃墟やパチンコ店やガソリンスタンドなど、これといって特徴のない廃墟などはマニアの間でこう呼ばれたりします。でも時として素敵な場所もあり)

…などなど。

細分化するともっと細かく分かれます。

2…最近の廃墟を取り巻くあれこれ。

廃墟ブームと近年メディアなどでも取り上げられていますが、厳密(?)には昔にそういったブームがあり、定期的に話題に持ち上がる、という感じなのでしょうか。最近は産業遺産やダークツーリズムなども併せて、廃墟という言葉を外でよく聞くなと感じます。

廃墟探索、それは大抵の場合において限りなく黒に近いグレー、であります。残念ながら。自治体や管理者の許可を得る事が一番気持ち的にラクでありクリーンでしょう。化女沼レジャーランドは廃墟ツアーも行われているようです。

廃墟マニアとしては産業遺産という言葉は往々にして大義名分に使われるなぁと感じる時もあります。

管理会社様などは「廃墟扱いは困る。しかし産業遺産なら構わない」と言われるところもあります。

言葉って、大切。

荒らされ悪意を持って破壊されるよりは保存された方がいい、という場合もあります。

難しいし、複雑です。

3…廃墟に持って行く持ち物。

これはその人のスタンスによって様々だと思います。私の持ち物を掲載しますね。

*基本

カメラ、レンズ(その時々で構成を変える)、レンズ拭き、シュポシュポ、CF、懐中電灯、ハンカチ又はハンドタオル、ティッシュ、マスク、水、非常食(カロリーメイト、チョコ、ナッツ類のどれか)、カットバン、ケータイ、のど飴、軍手、ハンドメモ、ペン、財布(中身は最低限、平常時使っているものとは別のものを)、リップクリーム、髪ゴム、安全ピン などなど

鞄は、行く場所・荷物の量により肩がけかリュックかどちらか選ぶ

ちょっとしたものはメインバッグとは別の小さなバッグに入れたりもする

*時と場合により

三脚、レリーズ、フィルムカメラを持って行った場合はフィルム、虫除けスプレー、かゆみ止め、各種薬(頭痛薬、腹薬など)、GPS、紙の地図、ガイガーカウンター、消毒液、ホッカイロ(寒い時は貼るタイプのホッカイロが重宝)、お財布にそっと家族の写真を忍ばせる などなど

*車移動の場合、車の中に置いておく物

身体拭きシート、替え用タオル、着替え用の服・靴下、サンダル(車内で、探索後、足をラクにしたい時あるととても助かる)、おやつや食料(何故かこういう時はじゃがりこが食べたくなる確立高し)、お風呂セット(温泉に行く時用)、ハンドクリーム などなど

4…服装。

・動きやすい服装(基本!)

・露出の少ない服装(草や虫にかぶれたり、怪我のないように。暑い時でも長袖)

・機能性を重視した服装(お洒落より安全を)

・しかし(そして)シーンに合わせた服装を(物件が何処にあるか、によりけり)

・汚れてもいい服装(ほぼ100%何かしらで汚れる)

・破れてもいい服装(気が付くと穴空いてる)

・どうなってもいい服装(最悪捨ててもいい)

・足下はしっかり固める(釘を踏み抜いたりしないように。軍用ブーツや頑丈な登山靴やトレッキングシューズがオススメ。スニーカーは釘が貫通するし、サンダルは危な過ぎる)

・腕時計を付けていると安心(時間は腕時計で確認するクセを付けた方がいいかなと思う)

…まぁ、私も最初の頃は、ゴスロリファッションに10センチ以上の厚底靴で廃墟行ったりしていたのですけどね…(愚か者)ガチになればなる程、服装もしっかりしていきました。というかよく厚底10センチの靴で壁を乗り越えたり走り回ったりしたな、と。厚底ブーツで何処までも行きました。イタリアに行った時はすんごい奇妙な生き物を見るような目で見られました。もうしない。

5…廃墟にある危険、廃墟を取り巻く環境。

廃墟ハザード@栗原亨氏 参考にさせて頂きました。

私の実体験や友人知人の体験も書き留めます。

先ほども書きましたが、廃墟趣味、それは限りなく黒に近いグレーな趣味です。

許可を取らない場合敷地内は勿論、建物等に潜入した場合は「建造物侵入」物件によっては「住居不法侵入」になる事もあります。

ガラス1枚割っても「器物破損」。

管理物件内部の物品を持ち出せば「窃盗」。

廃墟内にゴミを捨てるのは「不法投棄」。

可能な限り「所有者」「管理者」「近隣の住人の方」等に許可を求めてみると良いです。その建築物の歴史や背景が聞けたり、貴重なコミュニケーションの機会となる場合もあります。意外なところに面白い事が転がっているかもしれません。

廃墟はナマモノ。いつしかなくなる時がくる、いつしか崩れる時がくる、今あるその美しさは、今その時しか見る事が出来ないものです。

■崩壊の危険

・錆

鉄製の階段や床。腐食しボロボロになった階段や床は見ただけでわかるが、たまに何も気にせず歩いていく方もいる。

とある場所でスクール水着のみを纏ったコスプレイヤーさんとカメラマンが、そんな腐食した階段を平然と登って行った。

下から見上げると、一歩一歩歩くごとに揺れる階段、ポロポロ落ちる錆、見ているだけでヒヤヒヤする。

・塗装がしっかりしていても内部は腐食しているタイプの階段もある。一歩一歩慎重に、ゆっくり確かめながら進む事。

・腐った床

コンクリート製、木製、畳など。これら全ての床は、腐食します。友人が目の前で床を踏み抜き落ちたところを見た事もあります。

別な友人は二階で床を踏み抜きそのまま一階へ落下しました。幸い大きな怪我はありませんでしたが、下手すれば一大事になります。

・屋根

廃墟にいると、パラパラと何かが降るような音や、何かが落ちるような音が聞こえる時がある。自分がいる時に、

確立は低いかもしれないが屋根が落ちて来たり上からものが降ってこないとは言い切れない。

■ガラス

・床に散乱するガラスの破片

割れた窓ガラスや割れた薬瓶などが散乱している場所も多い。特に病院にある薬瓶などは医療廃棄物で、注射器などとセットで散乱している場合もある。

・窓枠に残る割れたガラス

うっかり窓枠に手を掛け、手を切る危険があるので油断して触らないように。

■釘

木片などから頭を出した釘を、気が付かないで踏み抜く場合がある。スニーカーのソールでは貫通します。

小学生の時、廃墟ではない場所で釘を踏み抜いた事があるが、スニーカーを貫通し突き刺さり、抜いたら血が一気に吹き出て靴内が真っ赤になった。

不思議と痛みはそこまでなかったが血が止まらなかったので焦った。

廃墟の釘はほぼ確実に錆びている。破傷風の危険がある。(今は余り破傷風の危険はないと言うけど、やっぱり万が一もあるしね…と思うのです)

■消化器

廃校や廃ホテルに置いてある事が多い消化器。一見何の変哲もない消化器に見えますが経年劣化により強度が劣化している場合がある。

そんな消化器に刺激を与えたら…内容物は一気に噴射され、金属片が凄まじい勢いで突き刺さるかもしれません。触れないようにしましょう。

■いきもの

・動物(ほ乳類)

熊、イノシシ、野犬、…人間社会と隔絶された田舎では野生の生き物と遭遇する確立も高い。自分もイノシシと野犬と鹿には遭遇している。

幸い熊とはまだご対面していないが、廃墟のすぐ近くに縄張り誇示の爪痕は確認している。

冬眠から目が覚めたばかりの時期や冬眠前の時期は特に危険。本州よりも北海道の熊に注意!ツキノワグマとヒグマは、雑食と肉食、全く違う…

・蛇

時期によっては出現します。毒蛇だって存在します。日本全国にはマムシ、そして沖縄にはハブ。

・昆虫

緑の美しい夏の廃墟。しかしそれは相反する昆虫天国でもあります。

蚊、蜂、虻、蝿、ブヨ、ダニ、マダニ、ヒル、ゴキブリ、フナムシ、カマドウマ、蛾、蜘蛛……ヨリドリミドリな昆虫達が探索者の前に立ちはだかります。

夏は虫除けスプレー必須です。数時間で効力が失われるので掛け直しながら探索しましょう。虫除けパッチやおそとでノーマット等も良いと思います。

ブヨに喰われると一ヶ月腫れが引かない場合もあります。恐ろしく痛痒い!

近年話題になったマダニはダニとは全く別ものの、蜘蛛に近い節足動物です。山の中の茂みや草むらに住み宿主を見つけると吸血する。

彼らはセメントのような唾液で体を固定している為、無理に引き抜こうとするとマダニの頭部や差し込まれている牙が体内に残ってしまう。

マダニを強く掴むとマダニの体液の逆流を招くこともあり、感染症などのリスクが高まってしまうのでもし喰われたら病院に行きましょう。

ちなみに虫除けスプレーに含まれる成分のディートはマダニにも有効です。

・人間

1:廃墟に住み着いた住人

廃墟を探索していて、明らかに”住人がいた痕跡”を発見するのは珍しい事ではない。生きた人間のいるはずのない空間に、ぽっかりと存在する生活の痕跡。

敷かれた布団、煙草の吸い殻、空になったカップ酒、ペットボトル、散乱するゴミに鼠の糞、エロ本、

食べるものがなくなったのであろうか最後舐めていたのであろう塩の入った袋…それらを見ていると言い知れぬ不安を覚えます。

廃墟の住人に包丁を持って襲われたり、複数の住人に囲まれたりした知人もいます。

廃墟に住むような人間は、失うものはなにもないような人種。そういった人間たちは何をしてきてもおかしくない。

ちなみに自分は廃墟で酒盛りしているおっさんらと一緒に酒盛りした事はあります。住人も見た事はあるが見つかる前に撤退しました。

2:死体

たまにニュースで流れたりもする、廃墟で発見される死体。そう、自分達も死体と遭遇する可能性を秘めている。

友人知人らでも廃墟で死体を見つけてしまった人達は何人かいます。今の所自殺又は住み着いた住人の衰弱死で、他殺体は確認されていないようです。

3:他の探索者

たまに同じ趣味の人間と廃墟で遭遇する事がある。同じ趣味だからと言って同志であるとは限らない。軽く挨拶をしてあとはそれぞれの行動に戻る。

稀にそこから仲良くなり親友となるケースもある。有り難い奇縁です。

4:一緒に探索する仲間

仲間だと思っていた人にレイプされたというケースが実際周りであります。SNSで集った初めて顔合わせする廃墟オフのメンバーにレイプされた事件も周りであります。

廃墟に行く時は、信頼出来る人間を厳選した方が良い。何よりも怖いのは人間だ、そう思わせられる。

単独行動の多い自分が言うのも説得力に欠けるのですが、女性が廃墟へ赴く際はなるべく複数人数で、出来れば男性も一緒の方が安心でしょう…が、上記の事件もあるので本当に最後まで気を抜かずに。レイプは親しい間柄の人間とも起こりえます。

性犯罪は、他の事件に比べ、特に表に出ない事件です。

5:ヤのつく人たち

自分は遭遇した事ありませんが、友人知人が遭遇した事があります。お金を要求されたケースもあります。

お金で解決出来る、それはとても文化的な行為であると自分は思うのですがやはり恐ろしい事です。が、それ以上にお金でどうにもならなかった場合、どうなるのか…

考えるだけでも恐ろしいです。

廃ラブホなどが特に、ヤのつく物件である事が多いようです。

その他、サイコな住人に遭遇した話もあります。遭遇した途端包丁を突きつけ突撃してくるアグレッシブなサイコに遭遇した知人もいます。

■廃墟内の衛生環境・空気

当然ながら悪いです(笑)カビ、アスベスト、乾燥し空中に舞い上がった鳩の糞から引き起こされるクリプトコックス症…もしかしたら廃病院に置かれたレントゲンには放射性物質が残留しているかもしれません。とりあえずマスクは必ず持って行きましょう。

・ガスの発生の危険

なくもないです。特に廃坑道内。ガス中毒になっていき視野狭窄になっていく事は怖い事になかなか自覚がなかったりします。そういった可能性も考え、火気厳禁。

■自分が実際に遭遇したトラブル

旧ソ連の未承認国家の廃墟でポロリもあるよ事件(軍人さんのち●ち●はでっかかった…)

旧ソ連の未承認国家の廃墟で激しくまぐわいをせがまれる(男の子は自称二十歳だったが明らかに思春期ボーイにしか見えなかった)

断り続けたら最後に「手だけでいいからお願い!!!」おいおいおい若人よそれでいいのか。

旧ソ連にて、廃墟かなと思って入った場所が一部まだ使用されている場所だった。事務所に連れて行かれて拘束。

その国の敵国に行ったばかりだったので確実にやばいと思ったが「どうせなら写真見せてよ」と和気あいあいと敵国の写真を見せる事に。

皆、絶対行ける事のない敵国の現状に興味津々。「君は忍者だ」と言われました。三時間拘束されたものの殆ど雑談で終わった。

何がしたかったのだろう彼らは。

・イノシシに遭遇(幸い可愛い奴だった)

旧ソ連の未承認国家にてスパイだと疑われ警察署に連行、尋問。その後ポリスマンとデートをする事に。

…などなど。

正直、自分は運がいいだけだと思います。

これについて、友人より有難い言葉があるので、同時に記載します。

男には一定数「レイプするのが好き」という鬼畜が潜んでいまして、女性だとものすごいリスクが残念ながらあると思います。

そういう奴らは女性には言わないですけど、男同士では結構あけすけに言うやつもいます。

星野さんが思っている以上にいると思ってください。

日本だったら廃墟へは安心できるメンバーと複数で訪れる、万が一襲われたら確実に半殺しにできる装備と準備(取り出しやすいところに催涙スプレーを用意など)をしていけば少しは安心ですが、海外だと銃を突きつけられるぐらいはザラだと思います。

ある中東の国では、女がレイプされるのは女が誘惑したからだ、という理由で女性が処刑されたり、市場で拉致してレイプするのが当たり前な国も存在します。

ましてや移民や政情の不安定化、テロ組織などもうろうろしています。

東欧、旧ソ連の国家、中東、アフリカなどは、危険な国がいっぱいあります。

リスク管理は自分で負うしかありませんが、今まで無事で済んだのはただの偶然である可能性が高いです。

本当に気を付けてください。

場合によっては行かないのも一つの手です。

…すみません。本当に、有難う御座います。肝に銘じます。

ネットの普及により、手軽に気軽に美しい廃墟を鑑賞、投稿、訪れる事が出来るようになりました。

でも時には、こうしたリスクなども振り返ってみるのも、いいかもしれません。

 

元の記事:

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