SATIAN/39番外編 - 主にしょうもない話し -

日常であったしょうもない出来事やたまに宣伝

友人に唆されてレズ風俗に行ってきたお話・序章 〜 私の父は嘗てバイだった 〜

「クソ!マジでクソでしかない!!」
その日、私はキレていた。
仕事関係で堪らなく腹立たしい事があり、友人(デブ)に罵詈雑言の怒涛の祭愚痴りに愚痴っていた。
壮絶な愚痴の果て何故か口走る「アタイもうレズ風俗行くしかないわ〜やってられんわ〜〜」
友人(デブ)「レポートしてくれるなら半分出すわw」
星野「マジで?!行く!!!」
デブ「マジかw」

というわけで、余りにも軽いこのノリで、私はレズ風俗へ行く事が決まった。
何故か半分出すと言ったデブも意味分からないが即答した私も意味が分からない。
これは、もしかしたら『血筋』かもしれない。

 


私はノンケだ。のっぴきならぬノンケだ。
人生このかた一度も女に走った事はない。チェルノブイリ2(※)の上で勢いで女友達とキスした位だ。
しかし私の父は、嘗てバイだった。
父は、学生時代東京で過ごしていた。東京時代の破天荒なエピソードの数々は一度聞いたら忘れられないものばかりだ。

アメリカネイビーの訓練を受けた」
「レンジャー部隊の訓練を受けた」
「12時間ぶっ通しでインベーダーゲームをやっていた」
「歌舞伎町のホストだった」
「露出狂のコートを引っぺがした」
「家は幽霊アパート」
「九龍城に行った事がある」
「当時存在していた銃は大体撃ってる」
「人肉ラーメンを食べてしまった」
「死体洗いのバイトをした」
などなど…

中でも特にゲイ関連のエピソードは多かった。
「某ゲイ雑誌のモデルをやっていた」
「二丁目に入り浸っていた」
「細マッチョでロックバンドのボーカルを務め、皮のショートパンツに腹出し厚底ロングブーツのロングヘアーで渋谷の街を跋扈していた」
「なのでよくゲイにモテた」
「銭湯でゲイに擦り寄られち●ち●を弄ばれそうになった」
子供の頃からこれらのエピソードを何度も聞いていた私は、『当たり前の事。』としてこれらを受け入れていた為、
これと言って何も疑問に思わなかった。
しかしある時、ふと疑問に思う。
「お父さんは色んなゲイに擦り寄られたりゲイエピソードが豊富だけど、実際そっちに走った事とかエピソードはないの?」
直接本人に聞いてみた。
父さんは言った。
「ない…………、わけがないだろ」
神妙な顔つきで父は語り出した。
自分はゲイではなく、嘗てバイだった、と。
父さんは男も女も、両方嗜んだ。
男を突き詰めていくうちに、ふと彼は気がつく。
男色の中でも、自分は特に『少年愛』が好きなんだ、と。
所謂、美少年。穢れを知らない美しい少年たち。
その少年たちを、加虐したい。
傷つけ、壊し、暴力の限りを尽くし愛したい。
行き過ぎたサディズム、己の中に潜む凶悪な欲情、狂気を知り父は己自身に畏れ慄いた。
そして彼は、男色を断ち切った…。

駆け抜ける青き欲動。
父は東京の暮らしに疲れ、故郷福島へと戻った。
そして母に一目惚れし結婚、私というロクデナシがこの世に誕生した。
そして私もまた、同性の色欲に手を染めようとしている…!
血は、争えないものなのかも、しれない。

 

 


〈 続く 〉

 

チェルノブイリ2…チェルノブイリゾーン内にある冷戦時代使用されていた電波塔。すごい。かっこいい。